普段なんとなく目に入ってくる色ですが、実は私たちの意識していないところで様々な心理効果が働いているのです。
また、企業で使われているロゴにも、ちゃんとした目的を持って色が使われています。
そこで今回は、色の持つ様々な心理効果と企業のロゴカラーからみる色彩イメージについてご紹介します。
目次
強いエネルギーをもたらす赤色
赤色は「活力や情熱」といった強いエネルギーをイメージする色です。赤色のものを身に付けているだけでアドレナリンの分泌を活発にする効果があります。アドレナリンが多く分泌されると心拍数や血圧を上げ、興奮状態になります。
そのため、やる気や元気が欲しい時には赤色を取り込むと良いでしょう。
暖かさを感じる色
赤は暖色の代表的な色で、暖かく感じさせる色です。赤に囲まれた部屋では青色に囲まれた部屋と比較して、体感温度が2~3℃程高く感じるといわれています。これは赤の光が「交感神経」を刺激し、血液の循環を良くする作用があるからなのです。
そのため、赤色の衣服などを身につけることによって、冷え性などに効果があるとされています。
特に冷えやすいお腹や足先には、赤色の下着や靴下を身につけると、暖かく感じることができます。
赤色の企業ロゴ
赤色は自己主張が強く、目立つ色です。そのため、信号やパトカー、消火器といった「注意や危険」を周りに示すサインとして使われています。
また、強調する時や注目を集めたい時にも活用されていて、イベントやセールなどの広告にも広く活用されています。
マクドナルド
出典:(http://rubeusu-trend.com/1079/)
マクドナルドは「M」の黄色を連想しがちですが、背景は赤色をメインとして使っています。これは、街中を歩いていても赤色の心理効果によって、看板や店舗を目立たせているのですね。
ちなみに余談ですが、ロゴマークの「M」はマクドナルドの「M」が由来ではないのをご存知でしょうか?
実はマクドナルドのロゴマークは、ゴールデンアーチと呼ばれる橋をイメージしたもので、創業当時の看板では、アーチは1つだけでした。店舗デザインで、店の両脇にアーチを設置したところ、その見た目から、2つの橋のロゴマークが誕生したのです。
青いマクドナルド
出典:(http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20130608/Rocketnews24_337895.html)
なんと、世界に一店舗だけ青色のロゴマークのマクドナルドが存在するのです。
その店舗は、米アリゾナ州のセドナにあり、スピリチュアルスポットとして日本でも有名になった観光地です。マクドナルドがセドナに出店しようとした際、景観に配慮した「この土地ならではの厳しい規制」を受けたそうです。
これを解決すべく同社が考え出した手段が、ロゴの色を変えるというものだったのです。
ブランドの顔ともいえる黄色の「M」を変えたということで、当時は大きな話題になったそうです。
ユニクロ
出典:(https://crowdworks.jp/lp/cl/competition/logos/articles/4708)
コーポレートカラーである赤色には、革新、改革、情熱、強さ、自立、先進のイメージに、「ユニクロ」に脈々と流れる挑戦者 のDNAを重ねています。また、フラッグを構成する3本の赤いラインは、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という意味が込められています。
出典:ファーストリテイリングより
親しみやすく視認性に優れた黄色
黄色は、有彩色の中でも最も明るい色で、親しみやすい印象を演出してくれる心理効果があります。明るく朗らかな印象の色であるため、フレンドリーで接しやすい雰囲気がでるのです。
また、黄色は左脳を刺激し、理解力、記憶力、判断力を高める色でもあります。
そのため、初対面の人と話す時や人前で話す時に黄色を使うと、会話をスムーズに運ぶことができるようになります。
視認性に優れている色
黄色は目立つ色でもあり、「注意や危険」を表すサインとして赤色と共に使われることが多くあります。視認性に優れ、夜でも見えやすいことから、踏切や立ち入り禁止の看板などに使われています。
また、小さい子供が黄色の帽子や服を身に付けている姿を見かけたことがあるかと思います。
それは、子供が迷子になった際に見つけやすくなったり、自動車のドライバーから認識されやすくなったりと日常の身近なところで黄色が活用されているのです。
黄色の企業ロゴ
黄色は、広告でも使用されることが多い色でもあります。
「交感神経」や「副交感神経」を刺激し、目を引くデザインであることから企業のロゴや強調をアピールしたいユニフォームなどにも積極的に取り入れられています。
Loft
出典:(http://tenjin.keizai.biz/headline/1023/)
Loftに置かれている生活雑貨で、明るく楽しい生活を送るという意味があります。
クロネコヤマト
出典:(http://logomarkmania.seesaa.net/)
黄色のイメージである「希望・幸福・愉快・知恵・探求・クリエイティブ」とヤマトグループの企業理念から「常に新しいサービス・事業を創造し続け、社会の発展とともに自社の成長を図る」という意味を示しています。
気持ちを落ち着かせ、集中力を高める青色
海や空の色として私たちに馴染みのある青色は、「沈静やクール」などをイメージさせ、精神を安定させてくれる心理効果があります。
これは青の光が「副交感神経」を刺激するため、呼吸もゆっくりと深くなり、穏やかな気持ちになるためであると考えられています。
集中力をサポートしてくれる色
青色は心身を落ち着かせ、長時間の集中力をサポートしてくれます。そのため、単純作業や頭脳労働の場所で青色を使うと、集中力を上げる効果があるといわれています。
また、青色には時間を感じさせない効果があり、勉強机や職場のデスクに青色の小物を置いておくと作業が捗りそうです。
青色の企業ロゴ
青には「鎮静やクール」の他にも「誠実や爽やか」といったイメージがあるので、企業ロゴのデザインによく使われています。
また白との相性がよく、水や青空のようなクリアな透明感を表すことができます。
NEC
出典:(http://www.brand-yurai.net/detail/NEC.html)
NECマークの基本色は、青色(NECブルー)です。
このNECブルーは、知性・洗練性・未来を象徴すると同時に、私たちが大切にしていかねばならない水・空気・宇宙などの地球を取り巻く環境も表現しています。
出典:NECHPより
IBM
出典:(http://piyopiyo-blog.com/logo-design/)
コンピュータ関連企業としての知的なイメージや信頼性を表しています。
また、このボーダーのような模様には「平等」を表すイコールの意味が込められているのです。
安心感を与え、目に優しい緑色
緑色は暖色でも寒色でもない「中間色」でもっとも刺激の少ない色です。物理的にも人が見える色(可視光)の真ん中あたりに位置し、心身のバランスを整える働きがあります。
緑色は、主に「森林や植物」をイメージさせ、リラックスやリフレッシュ効果があります。
また、植物や野菜といった古代から自然界に存在する色なので、なじみがあり、安心感を与えてくれます。
目に優しい色
緑の光は最も人の網膜に負担をかけない波長であり、人は緑色を見るのに神経を使わないため、長時間緑に囲まれていても疲れることはなく、集中力を保つことができます。
そのため、ビリヤード台や野球場など、集中力を必要とする場所に緑色が使われているのです。
僕が中学校の時に通っていた塾にも、床一面に緑色のじゅうたんが敷き詰められていました。今考えてみると、このような効果があったんだなと納得させられます。
緑色の企業ロゴ
自然やエコロジーといったイメージを持つ緑色は様々な企業のロゴに取り入れられています。
スターバックス
出典:(http://logo-design-osaka.com/starbucks-logo/)
リラックスして美味しいコーヒーを飲んでもらうために緑色が使われています。ギリシャ神話に登場する人魚「セイレン」が印象的なロゴですが、何回かのロゴ変更を重ねて現在のマークになりました。
LINE
出典:(http://iphone-mania.jp/news-127526/)
LINEはコーポレートミッションとして、世界中の人と人との関係性はもちろん、様々な情報やサービス、モノとの距離を縮め、心地よい関係性を創出するという意味が込められています。
また、LINEは相手とのコミュニケーションをとる際、長時間でも目が疲れないように緑色が使われているのですね。
またまた余談ですが、LINEのロゴが若干変わっていたのはご存知でしたでしょうか?
私は調べてみて初めて気づいたのですが、去年のサービス開始5周年の際にロゴが変わっていたのですね。
出典:(http://iphone-mania.jp/news-127526/)
左が旧起動画面で右が新起動画面です。比較してみると、なんとなく違いがわかりますね。
新しいコンセプトは、LINEのミッションをベースとして、モバイル上のユーザーニーズを総合的に解決していく事を念頭に、従来のロゴよりもより洗練された形にリデザインしています。
出典:(https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1295)
おわりに
いかがでしたでしょうか?
色の持つ心理効果を知っていると、様々場面で役立ちそうですね。
また、企業のロゴカラーの視点から見てみると、それぞれの理念や戦略などを垣間見ることができ、これからロゴを見るときは興味深く観察することになりそうです。
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