「カテキン」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?一般的には緑茶を連想する人が多いかもしれませんね。
カテキンは緑茶の他にもほうじ茶や番茶、紅茶などお茶に含まれている成分で、苦みや渋みはこのカテキンによって作られています。
健康効果もうたわれているカテキンですが、実際にはどのような効果があるのでしょうか。今回は、カテキンについて効果や効能をご紹介していきます。
目次
カテキンには効果・効能はない?実際のところどうなの?
カテキンについて調べると、とても多くの効果や効能が紹介されていますよね。
例えば抗酸化作用や風邪予防、コレステロールを下げる効果、ガン予防…身近なところでは脂肪燃焼効果によるダイエット効果が挙げられます。
こんなにたくさんの効果や効能があれば、カテキンをよく摂取している人はお医者さん要らずなのではないかと思いますよね。
ですが、実際にカテキンによってこのような効果をはっきりと目にする機会がないので、カテキンによる効果や効能はないのではないかと言われています。
カテキンの持つ効果はすぐに実感できるものではありませんが、確かに健康に良い効果をもたらしてくれることが論文や研究結果で書かれています。
カテキンの効果・効能を発表した論文や研究結果は?
カテキンについて研究者さんや学者さんが調べたり実験をしたりして効果や効能についてまとめた論文に書いてあることなら、信憑性が高いと感じる方も多いかもしれません。
そこで、2つのカテキンに関する論文をご紹介します。
「茶カテキン摂取による体脂肪低減効果」
1つ目は、山内有信さん、中村友香さんらが執筆した「茶カテキン摂取による体脂肪低減効果」という論文です。
この論文ではカテキンの摂取によって体脂肪が減ったというカテキンの効果が中高年の方々の実験によるものがほとんどだったことに注目し、若年層でも同じように効果があるのか実験したものです。
結果としては4週間カテキンを摂取した場合BMIや体脂肪率がしっかりと低下し、ウエストも細くなり、基礎代謝量が増えたという研究結果が出ました。
このことから、カテキンにはどの年齢層でも体脂肪率を減らしたり、脂肪燃焼効果が期待できることが分かりました。
参考文献:茶カテキン摂取による体脂肪低減効果
「茶葉カテキン類の抗酸化作用について」
2つ目の論文は、松崎妙子さん、原征彦さんによって執筆された「茶葉カテキン類の抗酸化作用について」という論文です。
こちらの論文では身の回りにあるラードやサラダ油などの食品に対してカテキンがどのくらいの抗酸化作用を持っているのかについて調べたものです。
結果としては、カテキンはラードやサラダ油に対する抗酸化作用を十分に有していて、普段の生活において摂取する酸化作用のある食べ物に対してはほとんどカテキンによって効果を得られることが分かりました。
これらのことから、カテキンに含まれる脂肪燃焼効果や抗酸化作用はしっかりと立証されていることが分かります。
参考文献:茶葉カテキン類の抗酸化作用について
カテキンの主な5つの効果・効能まとめ!
ここからは、カテキンを摂取することによって得ることができる効果や効能についてご紹介していきます。カテキンによる効果や効能には主に以下の5つがあります。
- 脂肪燃焼効果
- 抗酸化作用
- 風邪予防
- コレステロール値を下げる
- 血糖値が上昇するのを抑える
これらの効果について、1つずつ確認していきましょう。
脂肪燃焼効果
カテキンには継続して摂取をすると基礎代謝を上げてくれるという効果があります。
そのため、体の脂肪が燃えやすくなるので結果的にダイエット効果につながることが多く見られます。
また、カテキンには食事誘発性体熱産生という食事をした後の消化や吸収によって起こるエネルギー消費を助けてくれる効果も持っています。
そのため、カテキンを摂取することで脂肪を燃やすメインである代謝のアップと同時に体のエネルギーを消費してくれます。
抗酸化作用
酸化といってもイメージが湧きにくいかもしれませんが、金属が長く酸素に触れていると酸化して錆びてきてしまいますよね。
これと同じように体を錆付かせてしまうのがこの「酸化」という作用なのです。
体が酸化してしまうと、肌荒れやシワ、シミの原因になってしまったり、さまざまな体調不良も引き起こします。
カテキンにはこのような酸化を引き起こす成分である活性酸素を無毒化してくれるという効果があるため、美肌や健康にとても良いのです。
風邪予防
風邪やインフルエンザの原因になるウイルスは、人間の体内で繁殖し、症状を引き起こします。
カテキンが体内にあると、これらのウイルスが体内に入ってきても体の中で増殖できず、結果的に風邪予防に繋がります。
また、ウイルスの他にも虫歯を引き起こすミュータンス菌などの最近にもカテキンは効果的なので、虫歯予防もすることができますよ。
コレステロール値を下げる
コレステロールは体内に含まれている脂肪に似ている物質のことで、たくさん体内に溜まってしまうと動脈硬化などを引き起こす恐ろしいものです。
健康診断などでコレステロール値を下げるようにと言われている人も少なくないのではないでしょうか?
カテキンは悪いコレステロールを吸収しないようにするだけではなく、体内に溜まったコレステロールを排出する手伝いもしてくれますよ。
血糖値が上昇するのを抑える
血糖値は食後に上昇します。普通に食事をして血糖値が緩やかに上がることがベストなのですが、食べるものや食べ方によって急激に血糖値が上がることがあります。
急激に血糖値が上がったり下がったりすると様々な不調の原因にもなるため、カテキンなどで急に血糖値が上がるのを防ぐのがおすすめです。
カテキンはどんな飲み物・食品に含まれているの?
カテキンを普段の生活に取り入れるためには、どのような食品にカテキンが含まれているのかを知る必要があります。カテキンが含まれている食材には、主に以下の3つが挙げられます。
- お茶
- 大豆
- フルーツ類
それでは、これらの食品について見ていきましょう。
お茶
カテキンといえばお茶を思い浮かべるくらいお茶とカテキンには密接な関係があります。
ほとんどのお茶にカテキンが含まれていて、お茶の健康効果はこのカテキンによるものが多いのです。
毎日続けやすいのでカテキンを生活に取り入れる際にはお茶から初めて見ると良いかもしれませんね。
・カテキンが多く含まれているお茶はこちらの記事で紹介しています
大豆
あまりカテキンとイメージが結びつかない大豆にも、カテキンが含まれています。
ただ、お茶ほどたくさんカテキンが含まれているわけではないので、お茶よりもさらに健康効果を感じにくいというデメリットもあります。
ですが、大豆は様々な製品に加工されているので、お茶と同様に摂取しやすいという側面も持っています。
フルーツ類
フルーツの中でもリンゴやさくらんぼ、梨、ぶどうなどにカテキンが含まれています。
おやつなどにこれらのフルーツを摂るようにするのも良いかもしれませんね。
カテキンの効果的な5つの摂取法
カテキンの健康効果を実感するためにも、カテキンをより効果的に摂取したいですよね。ここでは、カテキンをより効果的に摂取するための方法を5つご紹介します。
- 熱いお湯で抽出する
- 水出しのお茶を作る
- 粉のお茶を利用する
- 料理に大豆製品を使う
- 3時間〜4時間おきに摂取する
それでは、これらの方法について細かくご説明していきます。
熱いお湯で抽出する
出典:Instagram
実はカテキンには何種類か種類があり、茶葉を抽出する温度によってカテキンの種類が変わってきます。
熱いお湯で抽出できるカテキンは「エピガロカテキングレート」と呼ばれ、抗酸化作用がより効果的に感じることができますよ。
水出しのお茶を作る
出典:Instagram
先ほどとは反対に水で出したお茶には、「エピガロカテキン」というカテキンが含まれています。
こちらのカテキンは免疫機能を活性化してくれるので、風邪予防に効果的です。お茶うがいをするならこちらの水出しのお茶の方が良いですね。
粉のお茶を利用する
出典:Instagram
普通にお茶を茶葉から淹れた際に湯飲みの下の方にお茶っ葉のかすが残っていることがありますよね。
苦いので捨ててしまう方も多いかもしれませんが、この苦味こそがカテキンなのです。
そのため、粉のお茶はカテキンまで全て溶かして飲めることが魅力です。
料理に大豆製品を使う
出典:Instagram
大豆のカテキンを摂取するために、料理に大豆製品を使うことを心がけてみましょう。
あまり気にしなくても豆腐やみそ、醤油など普段使っているもので十分カテキンは摂取できるので気楽に取り組んでみてくださいね。
3時間〜4時間おきに摂取する
出典:Instagram
カテキンは摂取してから2時間ほどで抗酸化作用のピークが訪れ、その後だんだんと効果は薄れていきます。
そのため、3時間から4時間おきにカテキンを摂取するようにするとより効果的ですよ。
カテキンの効果・効能が実感できるまでの時間や期間は?
先ほどカテキンは摂取してから約2時間でピークを迎えてそのあとだんだん効果が薄れていくとご紹介しましたが、私たちはその効果をなかなか実感することができません。
突然実感できるほど一気にカテキンを摂取するのも良くないので、気長に効果が出るまで待ってみましょう。
なかなか効果が出なくても継続していれば体内で効果は出ていますよ。
また、冬の時期は効果を実感しやすいかもしれません。ぜひ風邪を引かずに過ごせるようにカテキンを継続して摂取してみてくださいね。
カテキンに副作用はあるの?
最近では「高濃度茶カテキン」配合の食品などが高い効果をうたって販売されていますが、注意したいのがカテキンの副作用です。
普段カテキンを自然に取り入れる分には問題ないのですが、高濃度のカテキンを一気に摂取してしまうと肝機能の低下に繋がってしまうことがあります。
肝機能が低下してしまうと代謝が悪くなってしまったり、コレステロール値を調節してくれる胆汁があまり作られなくなってしまいます。
せっかくカテキンで代謝を良くする効果やコレステロール値を下げる効果が期待できるのに、このような副作用で水の泡にするのは勿体無いですよね。
このような高濃度のカテキンは少しずつ取り入れるようにしましょう。
・カテキンの副作用や注意点などについてはこちらの記事で詳しく紹介しています
おわりに
カテキンには脂肪燃焼効果や抗酸化作用、風邪予防など様々な効果や効能があります。
お茶や大豆、フルーツなどに含まれているので普段の生活でも取り入れやすいというメリットがあります。
カテキンを普段の生活に取り入れて健康的に過ごしましょう!
・カテキンが多く含まれているお茶はこちらの記事で紹介しています
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