私たちの食卓に必要不可欠な塩。
そんな身近な存在である塩ですが、スーパーなどで買うとき、なんとなく手に取ったものを選んではないでしょうか?
塩は私たちが健康な生活を送るうえで重要な役割を果たしており、塩の製法によって大きく精製塩と天然塩に分かれ、それぞれ成分が異なっているのです
そこで今回は、精製塩と天然塩の違いについてとその見分け方をご紹介します。
塩の主な性質
そもそも塩ってどのような性質があるのでしょうか?
塩には、湿度が高いと水分を吸い、湿度が低くなると水分を放出するという性質があります。周りの湿度の変化によって水分を吸収・放出を繰り返すことで、塩の結晶同士が強く結びつき、固結が生じます。
塩を密閉しないで保存すると固まってしまうのはこの性質のためなのです。
また塩には、水分を取り除く浸透脱水作用があり、この作用が働くことによって、野菜を塩もみすると水分が抜けて野菜がしおれたように柔らかくなるのです。
精製塩と天然塩の違いって?
塩にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると、精製塩と天然塩に分けることができます。
精製塩は、人工的な熱処理などを加えて作られた塩のことで、「カリウム」、「カルシウム」、「マグネシウム」などのミネラル分やニガリが殆ど取り除かれており、99.5%以上が塩化ナトリウムです。
天然塩は、海水を自然乾燥や平釜で煮詰め、濃縮を重ねた昔ながらの製法で作られた塩で、ミネラル分とニガリが豊富に含まれています。
天然塩にはさらに3つに分類することができ、天日干しで塩を作る「天日塩」、天日干しの途中から平釜で煮詰める「平釜塩」、海水や岩から取り出す「海塩・岩塩」があります。「岩塩」に関しては、化石になるまでの長い時間がかかり、その過程で多くのミネラル分が失われてしまっています。
それに比べ、「天日塩」や「海塩」は海水を汲み上げて出来た結晶なので、人間の体液の組成元素に近いといわれる海水の微量ミネラルが豊富に含まれています。
つまり、「岩塩」を除く天然塩は、精製塩と違って多くミネラル分を含んでいるということです。
人間の体のミネラルバランスと海水のミネラルバランスは極めて似ているため、ミネラルが自然な形で残っている「天然塩」が良いとされています。
精製塩と天然塩の見分け方って?
では、ミネラル分が豊富に含まれている天然塩はどのようにして見分ければ良いのでしょうか?
見分け方として、天然塩にはラベル裏の成分表に「カリウム」、「カルシウム」、「マグネシウム」と記載されています。
一方、精製塩は、塩化ナトリウム99%以上と記載されています。
また、ラベル裏の製造方法に「天日」や「平釜」と記載されているのは、昔ながらの製法で作っている天然塩ということです。
おわりに
塩を正しく摂らないと、循環不全、血圧低下、脱水症状、ショック症状や立ちくらみなどにつながります。
逆に、塩分を摂り過ぎると高血圧やむくみなどの症状を引き起こす可能性があり、適切な量を摂取することが大切ですね。
厚生労働省は2015年4月から「適正な食塩摂取量」として、健康な人の場合「男性で8.0g未満、女性で7.0g未満」と発表しています。
この基準に合わせてバランス良く塩分を摂取することを心がけましょう。
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